STORY | あらすじと、各話紹介

8話 たたかい


人類の天敵バーテックスの攻撃がはじまる。
四国は今、神樹の力で樹海と化した。
卵型の精霊が、端末から須美の前に飛び出る。
「これが、私の精霊……勇者を支援するもの」
「まるまるしてて可愛いよね〜わっしーの精霊は。私のは〜」
園子が端末を操作する。
「はい出ましたー。カラスです〜」
「そのっち。ちゃんと鴉天狗って言ってあげて……
鴉か鴉天狗かでは大きな違いがあるわ」
「あ、そっか〜。頑張ろうね鴉天狗さん〜」
マイペースな園子の様子を見て、自分の緊張が和らいだことに須美は気付いた。
(そのっち……私の大事な友達。絶対、守り抜いてみせる)
「よ〜し、それじゃお着替えいくよ〜」
「了解! そのっち」
須美と園子は、樹海化した世界の中で勇者の姿へと己を変えた。
同時に、須美の新しい武器が発現する。
それは西暦の時代からスナイパーライフルと呼ばれているものだった。
弓以上の火力を求めた結果、辿り着いたのが銃器である。
須美は、それを聞かされてからは銃器の訓練を徹底的に行い、
撃ち方を体に染みつかせるレベルにまで昇華させていた。
使用される弾丸も勇者用の特別なものだ。
「かっこいいよね〜シロガネ」
亡き友の名前がついた武器を、園子が頼もしげに見つめる。
「安心して戦ってね。そのっちに近づく敵は私が撃ち抜くから」
「うん! スナイパーわっしーかっこいい」
二人は、目前にある大橋へ跳んだ。

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